なぜゲームをすると頭が良くなるのか 星 友啓
| 読書時間 | 1時間(4日間) |
| 文章の難易度 | ★☆☆(読みやすい) |
| 内容の難易度 | ★★☆(ふつう) |
| ゲームのしすぎで怒られた経験のある人におすすめ度 | ★★★ |
ゲームのネガティブな部分が叫ばれて久しいが、私はまったくそんな印象はない。
私の大学生時代の知人は大変頭が良く、ゲーマーで、確か世界ランキングにも入ったことがあるとかないとか言っていたと思う。
要は、ゲームが悪なのではなく、言ってしまえば何でもその人次第で毒にも薬にもなるのである、と思っていた。
この本は、一般的にネガティブなイメージもあるゲームについて、ゲームは時間の無駄などではなく、むしろ様々な効力があることがわかっていることを科学的エビデンスに基づいて解説している。
ゲームをすることで脳が活性化するなどの脳自体が変化すること、短期記憶、空間認識能力、注意力も高めること、そしてゲームの種類によっては、問題解決能力、クリエイティビティも高めることまでできるという。
また統計では、ゲームを適度にやっている人、やりすぎの人、全くやらない人に分けた場合、メンタルやパフォーマンス、人間関係について調査すると、適度にやっている人が最も良好、次がやりすぎの人、全くやらない人の順番になるらしい。
全くやらないより、やりすぎの方がまだ良いという何とも驚きの結果である。
私たちがゲームに惹かれるのは、心の根本的な欲求である「つながり」「できる感」「自分から感」を満たしてくれるからだ。
つまり、人間関係の構築と、自分から能動的にできたと感じることである。
皆が心配する、ゲームの悪影響についてはゲーム依存症、つまりやりすぎてしまった場合に限定されるそうだ。
ゲーム依存症になりやすい条件は、孤独を感じていること、自己肯定感が低いこと、成績が低いこと。
なんともコメントしにくい条件が並ぶが、この本では、ゲーム時間の管理の仕方、よりよいゲームとの付き合い方も教えてくれるので、実行に移せるかどうかは一旦置いておき、その点は安心だ。
ゲームが医療効果を発揮する研究も進んでいるらしい。
さて本と言うのは、読み進めていく内に、読み手が知識を得たことで新たな疑問が湧き出ることがある。
この本のすごいところは、それに対して、すべて答えを提示している点である。
1章で「できる人こそゲームを楽しんでいる」というポジティブな情報から入り、科学的検証を示しながら、2章では「ゲームで頭が良くなる」根拠を述べる。
続いて3章では、ゲームの印象に付きまとう「暴力性とゲームの関係」について触れ、その流れで4章ではゲーム依存症について説明する。
そして5章では、ゲームとの適切な付き合い方を説明して、6章でゲームの現在と未来について語る。
非常に理解しやすい章立てと流れである。
文章も大変読みやすく、わかりやすい。
時間もそうかからず読める。
