休養学 あなたを疲れから救う 片野 秀樹
読書時間 | 54分(3日間) |
文章の難易度 | ★☆☆(読みやすい) |
内容の難易度 | ★☆☆(わかりやすい) |
休むことの本質を知りたい人におすすめ度 | ★★★ |
休養という概念は人によって大きく違うだろう。
私はただただ何もせず、誰にも会わず、予定もなく寝るかゴロゴロしているのが休養だと思っていた。
私は誰かに会うともれなく疲れる。
疲れることがすべて悪いことだとは思っていないが、現実として疲れる。
ものすごく好きな相手であろうが疲れる。
よって、疲れず何もしないこと=休養だった。
現代人のほとんどは疲れている。
そして、高齢者よりも若者のほうが疲れていて、男性よりも女性の方が疲れている。
これはデータで出ている結果だ。
そんな中、休養とは本当はどのようなことか、どうしたら休養がよりよく取れるのかをこの本は紹介している。
この本を読むと、何もすることなくただ疲れを取るだけが休養ではないことがわかる。
まず疲労とは「体を動かしたり、頭を使ったりすることで、本来の活動能力が下がった状態」をいう。
そして、なんとも良く聞く話になってしまうが、この疲労の原因は大きくいうとストレスである。
疲労を回復させることと同時に疲労を打ち消す「活力」も同時に養うことをこの本は提唱している。
それが「攻めの休養」だ。
何もしないことだけが休養ではなく、自分が心地よいと思う程度の負荷をかけることでよりよい休養が取れるそうだ。
「あえて負担をかけたトレーニングをすると、その直後は疲れて体力が低下するが、そのあと十分な休養を取ることで、トレーニングをする前より体力がつく」という超回復理論がある。
疲れたら、休みつつ、負担をかける。
この方法は休養にも応用できる。
確かに、行きたかった場所で好きなことをして帰ってくると、疲れるけれどもリフレッシュした感じと喜びの高揚感の方が勝ることがある。
そして、仕事をして空いた時間に休むのではなく、休みも一緒にスケジュールに組み込む、つまり仕事と同様に休む予定もきちんと立てることが重要だそう。
休養の種類も運動・栄養・親交・娯楽など色々なタイプに分けられる。
自分に合った休養の方法とその複合的組み合わせを見つけることが疲労回復効果を上げることに繋がる。
この本は名前が「休養学」という硬い題名だけども、内容は良い意味で非常に簡単でわかりやすい。
仕事に追われている世代にとっては、休むことも重要だと頭ではわかっていても、ついつい蔑ろになりやすいのが休養だ。
この本を読むことで、休養を取ることの重要性を考えるきっかけになる。
日本人はこんなに疲れているのだから、改め休むことについて考えてはいかがだろう。