心療内科医が教える本当の休み方 鈴木 裕介
読書時間 | 1時間47分(3日間) |
文章の難易度 | ★★☆(ふつう) |
内容の難易度 | ★★☆(ふつう) |
正しい休み方を知りたい人へおすすめ度 | ★★★ |
以前、休養学という本では、主に疲労とは何か、戦略的に休むとはどういうことか、ということを学びました。
今回のこの本も「休み方」について書かれた本ですが、少しアプローチが違ってまた良かったので、内容をご紹介します。
この本は「身体の仕組み(不調が起こる仕組み)がどうなっているのか」ということや、環境と身体の関係を説明し、現代において変わってきた身体の反応について述べ、心理療法でも用いられるような手法の正しい休養行動の取り方を説明しています。
自律神経のこと、ストレスの種類のこと、そして心身が安全・安心を感じられる状態になると、生体のリズムを取り戻すことができ心身の回復につながること、そのためには自分の内側に目を向け、自分にとって本当に必要なもの、大切なものが何かを知ることが大事だということが書かれていました。
頭が求めていることと、身体が求めていることは得てして違うことも気を付けなければならないことだそうです。
やる気がおきないことや、感動や喜び、幸せを感じられなくなったことなどの「気持ちや心の問題」だと思われていたことが、ストレスからくる「身体の反応」だったということが分かってきたそうなのです。
現代は「寝食には事欠かなくなったけれど、何かが足りない気がする」という、物質的な豊かさに恵まれたからこそ生まれた苦悩みたいなものがあります。
この本に書かれている通り、社会としても、個人としても、目指すべき方向性が見えにくくなってきました。
健全なものにはゆらぎがあるそうです。
少し前に注目され始めた「レジリエンス」というものですね。
そのゆらぎを手に入れるにはどうしたらよいのでしょうか。
一つの指針として、「世界とのつながり方」があります。
私たち一人ひとり、ストレスの対処法が6つのチャンネルに分かれることがわかっています。(BASIC Ph)
世界はどのように分かれていて、自分はどのように世界を眺めていて、自分にとって大切なものは何なのか、そして他者はどのような世界を眺めていて、その人にとって大切なものは何なのか、自分と他者の違いは埋められるのかを知る道標となり、心身を回復させる上で非常に有効だそうです。
最後に、この本から引用したい文章があります。
「社会生活人間関係に疲れ傷つき、『誰とも接したくない」『二度と他人をじられない」『もうあんな世界(人間関係の世界)で生きていたくない」と思っていた人であっても、本当に自らの癒しになる安心やつながりを得て、『生きててよかった』と感じるようになることも、決して珍しいことではありません。」
心療内科の先生である著者がこう言っているのがとても価値があることだと思いました。
確かに今、置かれている状況が今後良くなる保証は何もありません。
でも、良くなる可能性はゼロじゃないということがすごく大切なことじゃないかと、私は思います。
もしかしたら「あの時自分の人生を止めなくて良かった」と思えることがこの先待っているかもしれない。
でもそれは、この先の人生を歩んでみないとわからないんですよ。
結局良かったのか悪かったのか判断するにも、生きてみないとわからない。
それが、この世界のどこかにいる、まだ見ぬ傷ついた誰かに届くと良いなと思っています。