合理的にあり得ない2 上水流涼子の究明 柚月裕子
読書時間 | 2時間22分(4日間) |
文章の難易度 | ★☆☆(読みやすい) |
内容の難易度 | ★★☆(普通) |
爽快感も人情もミステリーに求める人におすすめ度 | ★★★ |
昨年ドラマ化もされた原作本の第二弾(実は前作も読了している)。
弁護士資格を剥奪された美人弁護士の上水流涼子と、IQ140モデル顔負けの天才助手の貴山伸彦が探偵事務所を構え、表には出せない問題を解決するという小説らしい設定。
全編を通して、サッパリしている。
文章も読みやすいし、登場人物にもブレがない。
テンポも良く、読んでいてストレスがない小説だ。
前作よりも涼子が(ドラマで涼子を演じた)天海祐希さんっぽくなっていた。
相棒ものの中でも、2人がイーブンで仕事をしているものというのは珍しく感じる。
貴山は本当に頼りになる。
多くは、メインの主人公が謎解きや調査をして、主人公がピンチになる重要なポイントで相棒が仕事をする、というストーリー構成が多いですよね?
貴山は下手したら涼子より働いている。
上司より部下の方がよく働くなんて、急に日本社会の現実味を帯びている。
前作は、探偵らしい変装や、相手をやり込めるテクニックが面白かったけれど、今作はより「人間の感情の問題」に焦点が当てられていた。
血のつながらない親子や、友達にかけた軽い言葉が相手と自分の人生を変えてしまうことなど、正解がない問題が核となったエピソード。
それによって、涼子のポリシーと大切にしている感情が伝わる物語だった。
ミステリーと言うのは、読んでこそ面白いものなので、感想を詳細にあれやこれや書けないのが惜しい。
いつもより圧倒的に文章が短いのはそのせいである。
これ3作目はあるのだろうか。