ライフキャリア

ライフキャリア:人生を再設計する魔法のフレームワーク 原尻淳一、千葉智之

読書時間1時間43分(5日間)
文章の難易度★☆☆(読みやすい)
内容の難易度★★☆(ふつう)
退職後は隠居生活でいいのか不安な人へのおすすめ度★★★

会社の仕事をひたすら頑張って出世競争のデットヒート後引退、その後は隠居。
こんな話は昭和の昔話になってしまった。
皆、薄々はわかっているだろう。
そんな昔話を今も引きずるのは限界であることを。

年金受給年齢は上がる一方だから、私たちが働かなくてはいけない期間も当然長くなる。
そして平均余命が延びている今、会社を定年になった後の人生も、また長いのだ。
そんな人生をどういう風に生きていったらいいのか。
一つの答えを出すのがこの本である。

この本は、人間の幸福を構成する大きな一因は「自己決定ができること」だと言っている。
会社の定年は決められているし、出世競争も結局は自分以外の誰かが決める。
だから会社人生において、緑烈に働く出世競争に重きを置くと幸せを見出しにくい。
自分の裁量で決められる幸福を見つける必要があるのだ。

この本では、個々人が持っている力を資産と呼んでいる。
ビジネスで築いたスキルだけではなく、趣味から派生した特技も立派な資産だ。
会社員は皆、得意とするビジネス資産を必ず持っている。
自覚がない場合もあるが、探せば必ず誰にもあるものだそうだ。
自分が持っている資産を顕在化して考えられている人は少ない。
これを趣味や好きなことに使っている資産を掛け合わせ、自分だけの小さなビジネスを会社員人生と並行して考えていくことを勧めている。

自分の棚卸しを行い、自分にはどんな資産があって、何が得意で好きなのか、今から取得すべきスキルは何なのか、この本の中にあるワークョップを通してできるようになっている。

自分で事業を行う時に大切になる要素が最後にまとめられているが、それは事業をしてもしなくても、普段の生活を豊かに生きていく上で大切な要素でもあると私は思う。

キャリア未来地図研究所のPR 本と言ってしまえばそれまでなのだが、この本は、今のままでは必ず限界がくる社会人人生に新しいきっかけを投げかける点で優秀な本だと言える。

現在ビジネスにおいて、40代50代で舵を切るのは、非常にリスクがあると思われている。
この本では、今が一番若い的な使い古された言葉でお茶を満すのではなく、現実的な時間の使い方の提案がある。
それは、これから退職までにスキルという資産に磨きをかける時間にするということだ。
退職まで10年あれば、10年の間に何かしら新しい資産や今持っている資産をより実践的な資産に変えることができる。

しかし、「このままではいけない」となんとなく思っていても、結局何もしないまま年を取っていくのがほとんどの人である。
この機会に少しでも変わろうとして行動する人と、何もしなかった人。
10年後、大きく差が出ているはずだ。