私は、すでに30代で会社人生には見切りをつけており、40代以降、どうやって生きて行こうか迷っていた。
私の人生いつもそうだが、どこに行っても99%の人と相性も話も好みも合わない。
嫌いな人に合わせることもできない。
会社においても任された仕事はきちんとしているつもりだが、チームのみんなと協力して会社の中心的動力となって業務を展開する、というのがそもそも無理なのである。
JTCの良いところであり、同時に衰退を招いているところは、頑張っても頑張らなくても、上層部に気に入られた社員が甘い汁を吸い、能力や仕事の結果が給料に劇的に反映されることはないものの、毎月決められた日に決められた額が自分の銀行口座に必ず入ってくることである。
そして絶対的にありがたいのは、厚生年金を会社が半分払ってくれていることにある。
毎月給料が確実に支払われることと厚生年金をみすみす捨てるわけにはいかない。
しかしながら、こんな状況を生活の中心にしてしまうのは、人間としてあまりにつまらないのではないか、とは思っていた。
当時、リンダ・グラットン先生の「LIFE SHIFT(ライフ・シフト)」という本を読んでいた。
今後の人生において、学び続けること、働き続けること、良好な人間関係を継続させることの3本柱が重要ということが書いてあったと記憶している。
これらについて私は何をすべきなのかということを迷っていた。
まずは、人生のライフワークになるような何かを始めたいと考えた。
会社の仕事のように他者が決めるものではなく、自分の裁量で働ける何かだ。
しかし、最初は何をしたらいいのかわからなかった。
胸を張って趣味と言える趣味もばっと思い浮かばなかったし、流行りものは好きだがオタクと合えるほど時間とお金を投入しているものもこれと言って見つからなかった。
もたもたしているうちに、体調を崩して休職することになった。
休職した時、一番にしたいと思ったことが「読書」だった。
休職する前はとにかく忙しくて 23時を超える残業が連日続き、時間も体力もなくなったせいで、本が読めなくなって久しかった。
でも、今度は体調のせいで読書ができなくなっていた。
活字を目で追って読んでいるつもりでも、改行すると前の行の内容を忘れてしまっている。
すごく怖かった。
一生このまま本が読めなくなるのだろうかと思った。
そんな状況でも、理解できるまで何度も何度もページを往復して苦労しながら本を読んでいた。
当時読んでいたのが「イスラエル 人類史上最もやっかいな問題」という本だ。
健康な時に読んだって、まあまあ大変な本だと思う。
きっとこの本のことは一生忘れない。
医師からは「それは典型的な症状で、いずれ治るものだから」と言われて安心したのを今でもよく覚えている。
何をしても良いと言われた時、一番にしたいと思ったこと。
できなくなったのに、やめようとしなかったこと。
私にとって昔趣味だった読書という存在は、実はすごく大きいのではないかと思った。
そう思って読書について色々考えを巡らせてみると、本屋さんが好きなこと、引越する時には絶対図書館が近くにあってほしいこと、父は本の虫であること、そして何より祖父が毎週土曜日に好きな本をなんでも買ってくれたことを思い出した。
「いつも面白そうな本を読んでいるね」と何気なく知人に言われたこともあった。
自分の読書偏差値は高いのではないか、と思い切って自分で自分に魔法をかけてみることにした。
他に得意なことも見つからなかったし、人生の三本柱の一つである「学び続けること」が叶う読書というカテゴリーはすごく良いのではないかと、このサイトを始めてみたのである。
気分に任せて更新を続け、今日で1年経つ。
本を読みながら初めて自分で作ったとても拙いサイトだけれど、新しいことをしてみるというのは良いことだなと思った。
これからこのサイトはどうなっていくかはまだわからないけれど、もっとITスキルをつけて発展させたいというぼんやりとした夢がある。
何歳になっても、こういう小さな夢や希望がある人生を生きていたいと思う。
このサイトは私にはちょうど良いサイズなのである。